2011年1月6日木曜日

ノーブレーキ


見た目がオシャレだと、ブレーキをつけない違法な自転車が若者らに流行し、公道を走っている。

昨年12月中旬、若者でにぎわう大阪市のアメリカ村。男性はブレーキのない競輪用自転車で兵庫県西宮市の自宅から約45分かけて走ってきた。購入して2年になる。

競輪用自転車はペダルと後輪の動きが一致する。止まるときは、競輪選手と同様に、ペダルを止めたり、後輪を浮かせたりして減速する。相当な脚力が必要で、うまくいかないことも多く、車や人の通りが多いところでは時速10キロ以下を心がけている。

違法だとは知っているけど、警察に注意されたことはない。ブレーキが付いていても危険な運転をしている人は大勢いると言った。

大阪市中心部のブティックで働く男性もアクロバット用自転車のブレーキを1年前に外した。外観がシンプルでスマートという理由だが危険を感じ近くブレーキをつける予定という。

業界関係者によると、ピストと呼ばれる競輪用自転車のブームが20代前半を中心に起き、4~5年前から東京でブレーキを外した自転車が広がり始めた。販売店はブレーキなしでは原則売らないが、インターネットで購入したり、購入者が自ら外したりしているとみられるという。大阪でも2年ほど前から見かけるようになったという。

大阪市西区でサイクルショップを経営する男性は危険で違法だと知ったうえで、若者はストリート文化のひとつとして楽しんでいるようだと言う。だが、インターネット上の掲示板などで危険性が話題になり、最近は沈静化に向かっているという。

警察庁によると、前後輪へのブレーキの設置は道路交通法で義務付けられ、時速10キロで走行中に3メートル以内で停止できる性能を求めている。違反した場合は5万円以下の罰金だ。

東京都渋谷区では昨年5月、20代の男性のブレーキのない競輪用自転車が、90代の女性に衝突。女性は肩を骨折するけがを負い、警視庁は同10月半ば、男性を重過失傷害容疑で書類送検した。

自転車メーカーなどでつくる自転車協会にはこの1、2年ノーブレーキ自転車への苦情の電話が頻繁に寄せられるという。広報担当者はノーブレーキは人命にかかわる。絶対にやめてほしいと訴えている。

0 件のコメント:

コメントを投稿